「あ、そういえば例のキャンペーンだけどさ、なんか面白い案ない? 来週の会議で出してよ」
金曜日の夕方、帰り支度をしている時に上司から飛んでくる、この無茶振り。 「面白い案」という曖昧すぎる指示。そして手元にあるのは、真っ白なPowerPointのスライドだけ……。
自分の引き出しをどれだけ漁っても、出てくるのは「ありきたりな案」ばかりで、自己嫌悪に陥る。そんな経験、誰にでもありますよね。
でも、もう一人で唸る必要はありません。 今回は、ChatGPTなどの生成AIを「壁打ち相手」にして、たった数分で50個以上のアイデアを出し、上司を納得させる企画を作る「AIブレインストーミング術」をご紹介します。
アイデア出しが苦痛なのは「正解」を探そうとするから
そもそも、なぜ企画出しはこんなにも苦しいのでしょうか? それは、私たちが無意識に「上司に怒られない、ちゃんとした正解」を一発で出そうとしてしまうからです。
「これは予算的に無理かな」「これは前にもやったな」と、思いついた瞬間に自分で自分のアイデアをボツにしてしまう。これでは脳が萎縮して当然です。
AIはどんなにバカげた思いつきも笑わない
ここでAIの出番です。AIには恥も外聞もありません。「空からお金を降らせるキャンペーンはどう?」と言っても、「面白い視点ですね!法的課題はありますが、デジタル空間なら可能です」と真面目に返してくれます。
この「否定されない安心感」こそが、ブレインストーミング(ブレスト)には不可欠なのです。
質より量!AIに「アイデア50本ノック」をさせる強制発想プロンプト
アイデア出しの基本は「量(Quantity)が質(Quality)を生む」です。 AIを使って、まずは強制的に50個、アイデアを出させてみましょう。人間なら30分かかるところを、AIなら30秒です。
「ありきたり」から「宇宙レベル」まで幅を出させる
単に「アイデアを出して」と言うだけでは、優等生的な回答しか返ってきません。ポイントは「視点の強制移動」です。
以下のプロンプト(指示文)をコピペして使ってみてください。
【入力する指示(プロンプト)例】
あなたはプロの企画プランナーです。 以下の条件で、販促キャンペーンのアイデアを「50個」出してください。
条件:
- 商材:20代向けのエナジードリンク
- 目的:SNSでの認知拡大
出し方のルール:
- 最初の10個は「王道で実現可能なアイデア」
- 次の20個は「少し変わったユニークなアイデア」
- 最後の20個は「常識外れでぶっ飛んだアイデア(実現性は無視してOK)」
箇条書きで、タイトルと1行説明を書いてください。
数が出ることで「意外な当たり」が見つかる
こう指示すると、AIは真面目な案から「宇宙でエナジードリンクを飲むライブ配信」のようなトンデモ案まで出してきます。
でも、このトンデモ案が重要なんです。「宇宙は無理だけど、プラネタリウムとのコラボならできるかも?」といった具合に、人間の発想を広げる呼び水になるからです。
もし50個でも足りなければ、「さらに別の切り口(例:ホラー要素、恋愛要素)で20個追加して」と言えば、AIは無限に案を出し続けます。
出しっぱなしはNG!「実現可能性」で現実的な企画に落とし込む技
さて、目の前には50個以上のアイデアリストがあります。これをそのまま上司に見せたら「で、どれやるの?」と怒られてしまいますね。
ここからの「絞り込み」作業も、AIに手伝ってもらいましょう。ここが時短の最大のキモです。
膨大なアイデアをAIに「仕分け」させる
出したアイデアに対して、現実的なフィルターをかけます。
【入力する指示(プロンプト)例】
ありがとう。では、この中で「実現可能性が極端に低いもの」を削除してください。 残った中から、以下の条件に合うベスト5を選び、選定理由と共に表にまとめてください。
絞り込み条件:
- 予算:50万円以内
- 準備期間:1ヶ月以内
- インパクト:SNSでシェアされやすい
こうすると、AIは冷徹なコンサルタントに早変わり。「宇宙配信」のような案は切り捨てられ、「インフルエンサーとの限定コラボ」や「ハッシュタグ投稿キャンペーン」といった、「明日から会議に出せる案」だけが残ります。
最後は人間が「いいとこ取り」して仕上げる
最後に残った5つの案を見て、あなたが「これはいけそう」と思うものを選び、少しアレンジを加えれば完成です。
0から唸って考えた案ではなく、「50個の候補から厳選されたベスト案」として提案できるので、説得力も段違いです。
まとめ:これからは「考える」より「選ぶ」仕事へ
「いい案ない?」に対する最強の返しは、自分の脳みそを絞り出すことではありません。
- AIに50個出させる(発散)
- 条件を与えて5個に絞らせる(収束)
- 人間が最終決定する(意思決定)
このプロセスを回せば、企画出しにかかる時間は10分の1以下になります。そして、上司にこう言いましょう。
「50個ほど検討して、実現性とインパクトのバランスが良いこの3案に絞りました。いかがでしょう?」
ここまで準備されていれば、さすがの上司も「おお、仕事早いな!」と認めざるを得ないはずです。さあ、AIという最強の壁打ち相手と、ブレストを始めましょう!


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