「来週の会議までに、この企画の資料作っておいて」
上司からそう言われて、PowerPointを開いたものの…… 真っ白なスライドを前にして、手が止まってしまった経験はありませんか?
「何から書き始めればいいんだろう?」 「全体の流れはどうしよう?」 「とりあえずデザインテンプレートを選んで、タイトルだけ書いて……」
気づけば1時間経過。進捗はほぼゼロ。 これは、あなたの能力が低いからではありません。「0から1を生み出す」のが、脳にとって最も負担がかかる作業だからです。
資料作成で一番時間がかかるのは、デザイン調整でも入力作業でもなく、この「全体の構成(ストーリー)を考える時間」です。
ここをAIに丸投げできたら、どれだけ楽になるでしょうか? この記事では、テーマを入力するだけで、スライド10枚分の「目次」と「各ページの内容」を一瞬で出力させるAI活用術を紹介します。
パワポは「作り始める前」が9割
資料作成が遅い人がやりがちな失敗。 それは、「いきなりパワポを開いて、1枚目から作り始めてしまうこと」です。
全体の流れが見えていない状態で細部を作り込むと、後で「話が繋がらない」「このページいらなかった」という手戻りが発生します。 まずはテキストで「構成案(骨子)」を固めるのが鉄則です。
でも、その構成を考えるのが面倒なんですよね? だからこそ、論理的な組み立てが得意なAI(ChatGPTなど)の出番なのです。
【実践】スライド構成を一瞬で作る「たたき台」プロンプト
以下のグレーの枠内(プロンプト)をコピーし、ChatGPTやGeminiに入力してください。 [ ] の中身を、これから作る資料のテーマに合わせて書き換えるだけでOKです。
基本プロンプト:全体の流れを作らせる
あなたは優秀なプレゼン資料作成のプランナーです。
以下のテーマに基づき、PowerPoint資料の「全体構成案」を作成してください。
# 資料の条件
・テーマ:[ 新規プロジェクト「業務効率化ツール」の社内導入提案 ]
・ターゲット(聞き手):[ 決裁権を持つ部長クラス(コスト意識が高い) ]
・ゴール:[ ツールの導入承認と、予算の確保を得ること ]
・スライド枚数:[ 10枚程度 ]
# 出力してほしい項目
スライド1枚ごとに、以下の内容を定義してください。
1. スライドのタイトル
2. そのページで伝えたいキーメッセージ(要点)
3. 箇条書きにするべき具体的な項目案
# 構成のポイント
・PREP法などを用い、論理的で説得力のある流れにすること。
・決裁者が気にする「メリット」と「費用対効果」を厚めにすること。
AIの出力イメージ(例)
スライド1:タイトル 【タイトル】 業務効率化ツール「〇〇」導入のご提案 【キーメッセージ】 月間20時間の残業削減を実現し、利益体質の組織へ変革します。
スライド2:現状の課題 【タイトル】 事務作業による長時間労働の常態化 【キーメッセージ】 営業活動に割くべき時間が、事務処理に圧迫されています。 【項目案】 ・現在の平均残業時間:月45時間 ・営業担当へのアンケート結果:「事務作業が多すぎる」80% ・機会損失の試算額
(…以下、解決策、導入メリット、費用対効果、スケジュールと続く…)
いかがでしょうか? これが出力された時点で、資料作成の仕事はもう「7割」終わったも同然です。 あとはこのテキストをパワポの見出しにコピペして、空欄に数字やグラフを入れるだけ。「何を書こうかな?」と悩む時間はゼロになります。
【応用】「どんな図を入れればいい?」もAIに聞く
構成ができても、「このページ、文字ばかりで見にくいな…どう図解すればいいんだろう?」と迷うことがありますよね。 そんな時は、続けてこう聞いてみてください。
追加プロンプト:
ありがとうございます。
この構成案をもとに、各スライドに入れるべき「図解やグラフのイメージ」を具体的に指示してください。
(例:円グラフでシェアを示す、左右対比でBefore/Afterを見せる、など)
するとAIは、
- 「スライド2(課題)は、残業時間の推移を示す棒グラフを入れてください」
- 「スライド5(メリット)は、導入前と導入後を左右に並べたBefore/Afterの図解が効果的です」 といった具合に、デザインの指示まで出してくれます。
あなたは、AIという「ディレクター」の指示に従って、手を動かす「オペレーター」になればいいのです。これなら、頭を使わずに作業を進められますよね。
AIで作った構成を「自分の言葉」にするコツ
AIが作る構成は論理的で完璧ですが、少し「優等生すぎる(一般的すぎる)」ことがあります。 そのまま使うと「どこかで見たような資料だな」と思われてしまうかもしれません。
仕上げに、以下の「リアリティ(現場感)」をひとつまみ足してください。
- 具体的な数字を入れる: AIが「コスト削減効果」と書いた部分に、「年間120万円の削減」と具体的な数字を入れる。
- 固有名詞を入れる: 「競合他社」ではなく「A社やB社」と書き換える。
- 現場の生の声を足す: 「現場も困っています」ではなく、「若手社員からは『この作業のせいで客先に行けない』という声が上がっています」と書き換える。
骨組み(AI)に、現場の肉(あなたしか知らない情報)を付ける。 これで、説得力抜群の資料が最速で完成します。
まとめ:資料作成は「クリエイティブ」な仕事ではない
多くのサラリーマンにとって、資料作成は「作品作り」ではありません。 上司や取引先を納得させるための「手段」です。
構成に何時間も悩むのはやめましょう。 それはAIに任せて、あなたは「どんな数字を入れれば説得力が増すか」「誰に根回しをしておくか」といった、人間にしかできない仕事に時間を使ってください。
さあ、今すぐあの重たいPowerPointを開く前に、まずは生成AIを開いてみましょう。 1時間かかっていた構成作成が、5分で終わる快感をぜひ味わってください。


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