「……で、その企画の費用対効果はどうなってるの? 数字の根拠が弱くない?」
会議室に響く、上司の冷ややかな声。 一瞬で頭が真っ白になり、背中には冷や汗がつたう。「えっと、それは……後ほど確認しまして……」としどろもどろになり、結局その企画はボツに。
こんな「公開処刑」のような経験、一度や二度はありますよね。
自分の意見を通したいけれど、反論されるのが怖い。論破されるのが嫌で、つい無難な発言ばかりしてしまう。 そんな悩みを持つあなたにおすすめしたいのが、AI(ChatGPTやClaudeなど)を「批判的な反対派」に仕立て上げて、会議前に予行演習を行うという方法です。
本番で人間に痛いところを突かれる前に、AIという安全なサンドバッグ相手に「模擬戦」をしておく。 たったこれだけで、あなたの発言の説得力は段違いに上がり、会議への恐怖心が嘘のように消えます。
なぜ自分の企画は「ツッコミどころ」だらけなのか?
一生懸命考えた企画なのに、なぜ他人はあんなに簡単に穴を見つけるのでしょうか。 それは、私たち人間には「確証バイアス」という心理があるからです。
自分のアイデアには愛着があるため、無意識に「自分に都合の良い情報」ばかりを集め、「不都合な事実」から目を背けてしまうのです。
AIは空気も読まないし忖度もしない「最高の批判者」
同僚に「これどう思う?」と聞いても、気を使って「いいんじゃない?」としか言ってくれないことが多いですよね。 しかし、AIには感情も忖度もありません。
指示さえ出せば、あなたの企画を冷徹に分析し、「ここがおかしい」「ここが甘い」と容赦なく指摘してくれます。 この「愛のない客観的な視点」こそが、会議で生き残るための最強の武器になります。
【コピペで即対戦】AIを「批判的な反対派」に変える論破プロンプト
では、実際にAIと模擬戦を行ってみましょう。 あなたの企画や意見をAIにぶつけ、あえて「意地悪な反対派」になってもらいます。
以下のプロンプトを、自分の状況に合わせて入力してみてください。
ステップ1:AIを「敵」に設定する
【入力する指示(プロンプト)例】
あなたは、論理的で批判的な思考を持つ「会社の上司(決裁者)」です。 新しいものに対して慎重で、常に「コスト」と「リスク」を気にします。
これから私が「新しい業務ツールの導入提案」をします。 私の提案を読み、決裁者の視点から「論理的な欠陥」や「懸念点」を厳しく3つ指摘してください。
【私の提案】 現在のタスク管理はエクセルで行っていますが、入力漏れが多発しています。 そこで、月額1人500円のタスク管理アプリ「〇〇」を導入したいです。 スマホでも見れるので、入力漏れが減り、業務効率が上がるはずです。
ステップ2:AIからの「鋭いツッコミ」を受ける
すると、AIは容赦なく痛いところを突いてきます。
AI(批判的上司):
- 定量的な根拠の欠如: 「業務効率が上がるはず」と言うが、具体的に何時間削減できるのか? 500円×人数分のコストに見合う回収プランはあるのか?
- 定着リスク: 以前導入したチャットツールも結局使わなくなった。新しいアプリを全員に使わせるための具体的な教育フローはあるのか?
- セキュリティ懸念: スマホで見れるということは、社外から情報漏洩するリスクも増えるということだが、その対策は?
どうでしょう。「うっ……」と言葉に詰まりませんか? でも、これが本番の会議で出たらアウトですが、今はまだAIとのチャット画面の中です。いくらでも失敗できます。
批判されたら終わりじゃない。「切り返し」もAIに作らせる
AIに指摘された「弱点(穴)」は、裏を返せば「そこさえ埋めれば完璧になる」というヒントです。 ここからが本当の準備です。指摘された内容への「反論」も、AIと一緒に考えましょう。
「痛いところを突かれた……」と思ったら即相談
【入力する指示(プロンプト)例】
厳しい指摘をありがとうございます……。 ぐうの音も出ないのですが、この3つの指摘に対して、なんと答えれば説得力が増しますか? それぞれに対する「論理的で前向きな回答案」を作成してください。
想定問答集(FAQ)があなたの「お守り」になる
AIは、先ほどの指摘をカバーする回答案を提示してくれます。
- コストに対して: 「1日1人5分の短縮で元が取れる試算です」
- 定着リスクに対して: 「最初の1ヶ月は私が推進リーダーとなり、毎朝の使用確認を行います」
- セキュリティに対して: 「このアプリはIP制限機能があり、会社支給のスマホ以外からはアクセスできません」
ここまで準備できれば、もう怖くありません。 これらをメモして会議に臨みましょう。
もし本番で同じ質問が来たら、心の中でガッツポーズをして、「ご指摘ありがとうございます。その点については〜」と、AIと作った回答を読み上げるだけです。
まとめ:「想定外」をなくせば、恐怖は消える
会議やプレゼンで緊張するのは、「何を聞かれるかわからないから」です。 逆に言えば、「聞かれそうなこと」を全て知っていて、その「答え」も持っていれば、緊張などしません。
- AIを「反対派」にしてボコボコに批判させる。
- 指摘された穴を埋める「回答」を用意する。
- 「他にツッコミどころはない?」と聞いて、さらに穴を塞ぐ。
このプロセスを経たあなたの意見は、まさに鉄壁です。 「論破されたくない」と思ったら、まずは会議室に行く前に、AIという「最強の壁打ち相手」とスパーリングをしてみてください。


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